作品集 用の美
真鍮
手洗いボウル
真鍮製
作品集 用の美
真鍮
手洗いボウル
真鍮製
この手洗いボウルは手作りなのでご希望のサイズとミリ単位の誤差が出ることがありますが、見た目にはわかりません。
底の丸みも手打ちで形成しているため水栓金具との間にどうしても溝が生まれ、そこに僅かに水が溜まりますが、その点はどうかご了承ください。
美しさ、その力強さとは
なんと単純なのかと思うのです。
一枚の板をただひたすらに叩いて
ボウル状にしていくという単純作業の繰り返し。
そうして完成したかたちの単純さ。
単純だけを積み重ねていく姿勢は一途です。
そこに意図や想いを超えた美しさが生まれ、
そのものの存在感となるのだと思うのです。手洗いボウルとして用途を与えられ
一生使える美しい日用品が出来上がりました。
使っていれば、時間が経てば、ますます美しさが磨かれていくなんて。
実際まめに磨きたくなるんです。
大切に使うから。
商品説明
<鍛金技法 >
一枚の板を何度も何度も焼いては叩くという作業を延々と繰り返しながら形を作り上げる「絞り」という金属の伝統技法を用いています。
火と当て金と金槌を使って作られる古来から変わらない手作りの技です。
<形について>
完璧を目指しながら作っていても、手作りのものであればどうしても数ミリの微妙な誤差が生まれてしまいます。
しかしそれが単に技術的に未熟なところから来ている場合は美しさには決してなり得ません。
それは作り手がただ下手なだけということでしかありませんし、一枚の板を美しいボウル状にまで持っていくための技術は、簡単に習得できるものではありません。
槌で叩くというととても単純そうな作業ですが、最終的な形を目指して一打一打しっかり狙いを定めて金槌を当てていくのは熟練の技術が必要です。
そうして気の遠くなるほど叩き繰り返すことで生まれてくるのは、圧倒的な存在感と迫力です。
それは人の手が作り出す、完璧ではない形にこそ宿る美です。
現代では工業機械で一枚の板をあっという間にボウル状に形作ることができ、世の中の金属製ボウルはほぼその製法で作られ流通しています。
規格化された工業製品のボウルは寸分の狂いもない完璧なシンメトリーの形をしています。
そのように機械で形作ったボウルに、化粧として表面にだけ人の手で叩いて槌目を付ける方法もありますが、そこに迫力を感じる人はいないでしょう。
ものから溢れ出る迫力や存在感は、機械が作り出すことのできる数値で表される完璧なシンメトリーの形では踏み込めない領域の美しさです。
そこにこの手洗いボウルのすべてがあります。
<経年変化について>
真鍮は変化しやすい素材です。
使っていけばだんだん暗めの色に変化します。
また、水垢や石鹸かすが残ると跡になることや、緑青が出ることもあります。
<日常のメンテナンス>
目立つ水垢や石鹸の跡は荒めのタワシで磨けばすぐに消えます。
しっかりと磨けば新品のような明るい色に戻すこともできます。
おすすめは定期的にタワシで磨くことです。
使い続けているうちに自然に変化してきた暗い色を、ぼかすように円を描きながら擦って磨いていくと、より味わいも増してそのお宅ならではの良さが出てきます。
お好みの磨き方を見つけてください。